建設キャリアアップシステムとは?
2019年4月から本格運用が始まった「建設キャリアアップシステム」。
どんなシステム?事業者のメリットは?
事業者のメリット
技能者のキャリアアップを手助けをする建設キャリアアップシステム。
しかし、技能者に役立つだけのシステムではありません。
施工能力の高さを示して他社との差別化を図れたり、現場での事務作業の負荷が軽減されたりと、事業者にとってもいろいろなメリットがあります。
そして、建設キャリアアップシステムを導入する会社に対し、経営事項審査での加点も始まります。
事業者の施工能力が可視化される
専門工事会社は技能者の集合体です。
建設キャリアアップカードは技能者の実力を示すものです。
所属する技能者のカードのレベルを見れば、その会社の時t力を図ることができます。
これまで、可視化されていなかった専門工事会社の実力がカードの存在によって客観的に明らかになります。
実力のある事業者は、建設キャリアアップシステムの導入により、高い技術力があることを対外的に示すことができます。
実力を判断しやすくなることで、ゼネコンも優秀な専門工事会社を見分けやすくなり、仕事を請ける機会も増えます。
エンドユーザー(一般の注文者)にも選ばれる
建設キャリアアップシステムで技術力が可視化することにより、ゼネコンだけでなく、エンドユーザーである一般の人が専門工事会社を選ぶ時代になってきます。
例えば、エンドユーザーや一般の方が住宅やマンションを購入する際、聞いたことがある有名な会社ということで選ぶという方もおります。
技術力が分からないし、吟味する時間もないので有名な名前の数社の中から選ぶといった感じです。
しかし、専門工事会社の施工能力が可視化され、エンドユーザーや一般の方にも簡単に技術力が見えるようになれば、元請だけでなく専門工事会社も選択肢の中に入ってくるようになります。
ネット社会になり、誰でも簡単に情報を得られるようなった今、建設キャリアアップシステムで実力をアピールすることでビジネスチャンスも広がります。
若手・優秀な人材の確保
現在、建設業界で現場で働いている技能者の数は全国で約330万人と言われています。
しかし、その中の約80万人は60歳以上で、あと10年もすれば多くの人が引退します。
若い人材を呼び込まなければなりませんが、職業の選択肢も多くなり、建設業への就業者を確保するのは難しくなってきています。
そこで、就業者の確保の一つの手段として建設キャリアアップシステムがあります。
建設キャリアアップシステムが目指すのは、技能者の能力を評価して適切に処遇し、技能者が自分のキャリアを描けるようにすることです。
処遇改善やキャリアを描けるようになることで、若い人のモチベーションアップに繋がります。
自分の将来を描ける会社となれば、職業選択の際の一つに選んでもらえるようになります。
経営事項審査の加点対象に
今後、公共工事に携わる専門工事会社にとって大きなメリットとなるのが、建設キャリアアップシステムの導入による経営事項審査での優遇です。
国土交通省が中央建設業審議会(中健審)諮って方針を打ち出し、早ければ2020年度から、京津への加点が始まります。
建設キャリアアップシステムの普及が進んでくれば、システムの導入が入札参加要件に盛り込まれる可能性があります。
国土交通省で手始めに、地方整備局発注の直轄工事で、建設キャリアアップシステムを導入するモデル工事を実施する考えです。
書類作成の手間軽減で生産性向上
現場では、作成しなければならない書類がたくさんあり、現場で働く技術者に長時間労働を強いる結果になっています。公共工事では、国土交通省が書類削減に取り組んでいますが、その効果はまだ十分に表れていません。
書類作成で面倒な点の一つに、書式に合わせて同じデータを何度も転記しなければならないことです。電子データを使い回せれば手間も減り、転記ミスも無くすことができます。
建設キャリアアップシステムには、現場で働く技能者の氏名や生年月日、立場、保有資格など、様々な情報が入力されています。
つまり、技能者のデータベースが整備されているわけです。
これを活用できれば、作業員名簿や施工台帳を作成する手間が減り、生産性向上に繋がります。
データを取り出す機能は現在開発中とのことですが、作業員名簿や施工体制台帳の作成に、建設キャリアアップシステムのデータを活用できるようにする計画です。
これが実現すれば、現場の生産性が向上するのは間違いありません。
さらに、建設キャリアアップシステムには技能者の保険加入状況が登録されています。
システムに登録された作業員名簿を見れば、全ての技能者の保険加入状況を把握することも可能です。
「建退共」関連事務の手間削減
「建退共」は現場で働く人の体植菌に位置づけられるものです。
技能者の働いた日数に応じて、所属事業者が技能者に「証紙」を渡し、技能者は「共済手帳」に貼り付けていきます。証紙と手帳は現場や会社が変わっても引き継がれ、技能者が建設業での就労を辞める際に、貯まった証紙の枚数(就業日数)に応じて退職金が支払われます。
下請事業者の事務担当者は毎月、該当する現場で働く技能者の就労日数を集計し、元請事業者に「就労状況報告書」を提出し、証紙の交付を受けています。
この作業の手間が建設キャリアアップシステムの利用によって軽減されます。
作業には、建退共が提供する「就労実績報告書作成ツール」を使います
建設キャリアアップシステムの中にある技能者の就労履歴情報を作成ツールで読み込むと、就労状況報告書の様式に合わせた書類が自動的に作成されるという仕組みです。この就労豊胸報告書作成ツールは、建退共のホームページ上で公開されています。
働き方改革への対応に役立つ
2019年4月に施行された改正労働基準法で、時間外労働の上限が定められました。
建設業には適用猶予期間が設けられ、適用開始は2024年4月となっています。
それ以降は原則として月45時間かつ年360時間以内など、細かい縛りが設けられます。
更に、2019年4月には、改正労働安全衛生法も施行されました。
この中で、事業者に対して、「労働者の労働時間の状況について、客観的な方法によって把握すること」が義務付けられました。
そこで、建設キャリアアップシステムの導入で勤務時間を把握することが可能になります。
建設キャリアアップカードを現場の入場時と退場時にタッチすれば、入場と退場の時刻を履歴として残すことができます。
建設キャリアアップシステムは、技能者の労働時間把握に有効活用できます。
以上、建設キャリアアップシステムの内容と、事業者のメリットについてでした。
建設キャリアアップシステム導入代行料金
当事務所では、「建設キャリアアップシステム導入サポート」します。
お気軽にお問い合わせください。
事業者ID登録代行料 ⇒ 38,500円(税込)+ 事業者登録料(登録料表参照)
技能者ID登録代行料 ⇒ 16,500円(税込)/1人 + 詳細型:4,900円/1人、簡略型:2,500円/1人
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