
会社設立後の各種手続き
・法人設立届出書(税務署)
設立した会社の基本的な内容を税務署に知らせるための届出。
必要書類:登記事項証明書、定款のコピー、株主(社員)名簿、設立時貸借対照表。
・給与支払い税務署等の開設届出書
役員報酬や従業員への給与その他士業等への報酬の支払いを開始したことを、税務署に通知するもの。
法人設立時点で、いつから役員報酬や給与等の支払いをするか決めている場合は、法人設立届出書と一緒に提出すると良いです。
・源泉所得税の納期の特例に関する申請書
源泉徴収した所得税は、原則として支給日の翌月10日までに納付しなければなりません。
毎月納付手続きをするのは大変なので、まとめ納付ができる特例です。
※役員や社員の合計人数が、常に10人未満の場合に受けられる特例となります。
(特例を受けた場合の納付時期)
・「1~6月に支払った分」 ➡ 7月10日まで
・「7~12月に支払った分」 ➡ 翌年1月20日まで
この特例は申請書の提出日の翌月から適用されます。(提出された月は適用されません)
・青色申告の承認申請書
一定の要件を満たすことを条件に、法人税の計算上、各種優遇措置を受けることができる制度です。
この制度を受けられるためには会計ソフトなどを備え付け、複式簿記のルールに従って毎月帳簿をつける必要があります。
法人には記帳義務がありますのでしっかりと経理の体制を整え、税金上の優遇を受けられる青色申告にした方が得です。(実際にはほとんどの法人が青色申告の制度を利用してます。)
(青色申告のメリット)
・赤字を9年間繰越し、黒字と相殺できる。
・赤字を前年の黒字と相殺し、税金の還付を受けられる。
・30万円未満の固定資産の取得原価を全額償却することができる。
・消費税課税事業者選択届出書
設立時の資本金が1,000万円未満の場合、通常、設立時1期目は免税事業者となり、消費税の納税義務はありません。
この事は、通常起業家にとっては有利なことですが逆に不利になるケースがあります。
例:
1期目から多額の設備投資を行い、売上で受け取る消費税よりも支払時の消費税が多いケースです。
この差額の還付は免税事業者だと受けられない為、あえて課税業者を選択し、消費税の還付を受ける選択肢が残されています。
・都道府県、市町村への法人設立届
税務署への届出と同様、都道府県税事務所と市町村役場の2か所にも「法人設立届出書」を提出する必要があります。(提出期限は、事実が生じた日から10日以内)
広域振興局:法人の事業等開始等申告書(添付書類:登記事項証明書の写し、定款の写し)
市役所:法人の設立・変更等の申告書(添付書類:登記事項証明書の写し、定款の写し)
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
「健康保険」と「厚生年金保険」を総称して社会保険と呼びます。
法人はこの社会保険に必ず加入しなければなりません。
提出期限:事情が生じた日から、5日以内に事業主が行う。
添付書類:登記事項証明書の原本
・法人名義の銀行口座の開設
法人名義の銀行口座を開設後、資本金を法人名義の口座へ移します。
提出書類:口座開設申込書(銀行に備え付けのもの)、登記事項証明書、会社の印鑑証明書、銀行印に使用する印鑑、代表者本人や来店者の身分証明書(免許証等)
・各種契約の変更手続き
取引先などへ、個人から会社に変更になった旨を連絡します。
事務所や店舗、工場等の賃貸借契約書、複合機、機械などのリース契約、水道光熱費関係も個人から会社名義に変更するとともに、引き落とし口座も法人口座に変更します。
・個人時代の確定申告
個人事業を廃止した年の翌年3月15日までに最後の確定申告をします。
ただし、不動産取得(会社に建物を貸す)などがある場合は、引き続き確定申告を行います。
・個人事業の廃業に伴う届出書(税務署)
① 個人事業の開業・廃業等届出書
法人なりにより、個人事業を廃止する場合に提出します。
提出期限:個人事業を廃止した日(通常は、法人設立の前日)から1か月以内。
② 所得税の青色申告の取りやめ届出書
個人事業を青色申告で申告していた場合は、法人なりにより個人事業を廃業する際、提出します。
新しく設立した会社で青色申告を選択する場合にも、この届出書が必要になります。
提出期限:青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日までが提出期限ですが、通常は、「個人事業の開業・廃業等届出書」と同時に届け出ます。
③ 給与支払い事務所等の廃止届出書
従業員や事業専従者に給与を支払っていた場合に提出します。
提出期限:給与支払いを廃止した日から1か月以内
④ 事業廃止届出書(消費税)
個人事業の時に消費税の納税義務者であった場合に提出します。
提出期限:通常個人事業廃止後、他の届出書と一緒に提出します。
⑤ 所得税の予定納税の7月(11月)減額申請書
通常「法人成り」をすると、個人の所得が下がります。
税務署から通知された予納額が多すぎるときに、それを減らしてもらうための申請です。
※自宅の一部を会社の事務所として貸した場合等、社長個人の不動産所得が発生すするので、そのまま確定申告を継続していくことから、①、②、④の届出書は不要になります。
以上、会社設立後の手続きについてでした。
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